無機質にアウトプット

読んだ本や観た映画の感想を書いていきます。

【ネタバレあり】映画『マイティ・ソー』 | MCUマラソン第3弾

MCUラソン第3弾は『マイティ・ソー』。前回、記事にした『アイアンマン2』は2度目の鑑賞だったのに対し、本作は初見だったので新鮮味があり、楽しめた。

jokigen.hatenablog.com

本作を通じてソーのキャラクター性や背景にある世界観が過不足なく伝わってくる。マイティ・ソーというヒーローのスクリーンデビュー作として、ふさわしい映画だった。

 

アベンジャーズ』でなんとなくソーのキャラクターや能力は知っていたものの、細かい設定は知らなかったので、「あ。こういう設定だったんだ」と気づきも多くあった。

マイティ・ソー (字幕版)
 

本作の位置付け

本作はMCUマーベル・シネマティック・ユニバース)シリーズの4作目に位置する。公開は2011年なので、『アイアンマン2』の翌年には上映されている。

MCUシリーズ フェーズ1

世界観的な時系列でいうと、『アイアンマン2』のED後にてニューメキシコ州で発見されるハンマーのシーンに直結する作品であり、あのシーンもまんま本編内で出てくる。

 

コールソン捜査官がカルフォルニア州のトニー邸を発ってから、ニューメキシコ州に着くまでどれくらいの時間が経ったかはわからないが、そこまでかからないはずだ。つまり、ほぼほぼ『アイアンマン2』の裏番組的な位置づけになるはず。

 

ざっとあらすじ

✳︎✳︎✳︎

かつて、氷の巨人のことフロスト・ジャイアントの国「ヨトゥンヘイム」は地球を侵略しようとしていた。その侵略を阻止してくれたのがオーディン率いる国「アズガルド」。

 

アズガルドのおかげで地球の平和は守られた。

地球の民は、自分たちが持ち得ない文明を持つアズガルドの民を”神”と称え、それを北欧神話として語り継いだ。

 

時は現代に飛び、アズガルドではオーディンの長男ソーの王位継承の儀式が行われていた。しかし、その最中にヨトゥンヘイムの侵入者がアズカルドの宝である「箱」を盗もうとする事案が発生する。

 

幸い、箱はアズカルドの強固なセキュリティによって守られるが、ソーは大変お怒り。戦争になるからダメだと制止する父オーディンの命令も聞かず、悪友たち4人と弟のロキを連れて、ヨトゥンヘイムに乗り込んでしまう。

 

激しい戦闘になったが、結果ソー達は追い込まれてしまう。オーディンが助けてくれたものの、和平協定を結んでいたヨトゥンヘイムとは関係が決裂。戦争まで一触即発の事態に。

 

勝手な行動により、仲間と国を危険に晒したソーに対して、パパンは当然激おこ。ソーの力を奪い、地球に追放してしまう。

 

その裏でスポットが当たるのはソーの弟ロキ。表面的には兄に懐き、従順な弟のように見えるが、ソーの王位継承に何か思いがありそうな感じ。

 

しかも、先のヨトゥンヘイムの闘いで、自分の出生に関する”ある秘密"を知ってしまう。

 

ソーとロキ、そしてアズカルドとヨトゥンヘイムとの闘いの行く末はいかに。

✳︎✳︎✳︎

かつての宇宙人同士の戦いを、神話にしてしまう、神さまは実は宇宙人だったっていう設定は好みだった。

 

天災など人智を超越した事象を神の御技とするのであれば、高い文明を持つ宇宙人を神さまと崇めるのは自然だと思う。

 

一方で、アズカルドがファンタジーな一族ではなく、この宇宙にちゃんと存在する生命体だとすると、レベルの大きな違いはあるもの、文明は魔法ではなく、科学で成り立ってるはずだ。

 

すごい野暮な疑問だが、ハンマーによって天気を操り、雷が落ちてくるというのはどういう仕組みなんだろ。トンデモ科学で良いので直感的にわかる理屈が知りたくなる。

 

以下、ネタバレを含む感想を書いていく。まだ観ていない方はご注意ください。

いちばんわかりやすい 北欧神話 (じっぴコンパクト新書)

いちばんわかりやすい 北欧神話 (じっぴコンパクト新書)

 

好感が持てたソーのキャラクター

アベンジャーズ』に出てくるソー、即ち他のヒーローと絡みがあるソーは、自分の能力が最も高いと疑わず、「オレが、オレが」系のイメージが強かった。(実際、彼からすれば地球人から神と崇められていたわけだし、文明も別次元で高い。ソーからすれば、トニーはちょっと優秀なエンジニア、キャプテンはちょっと丈夫な地球人に過ぎないので見下す形になっても仕方ないと思う)

 

正直、トニーとキャラ被っとるやんと思わなくもなかった。しかし、本作を観てイメージは変わる。

 

確かに彼はやや横柄で自信過剰、自分の決めた事を対し疑わず突き進むちょっとおバカなタイプだ。

 

ただバカだけど、愚かではなかった。己の過ちを心の底から反省ができる素直さと、ちゃんと相手の気持ちを理解しようと努力できる人(神?)だったからだ。

 

自分の行為によって父が死んだと知った時も(実際はロキによる嘘だったわけだが)、自分の行為を悔い、故郷に帰れない罰を受け入れていたし、弟の裏切りを知った後も決して怒りに任せて弟を攻撃することはなかった。むしろこれまでの行為によって弟の気持ちを歪めてしまったことを謝り、可能な限り話し合いをしようと努めていた。

 

アベンジャーズ作品になると、他のキャラとの差別化のためなのか、「オレオレ感」が強調されていたように感じたが、本作では無知で無謀な若者から、王の後継者にふさわしい成長を見ることができ、観ていてとても気持ちよかった。

 

ロキのキャラ背景にもグッとくるものが

ソーに並びイメージがガラリと変わったのが、今回の黒幕である弟のロキ。

 

他作品だけを観ていると、姑息でいかにも嫌な悪役という感じだったが、その背景には兄への嫉妬と尊敬する父に認められたいという思いがあったことを知る。

 

しかも、序盤のヨトゥンヘイムの闘いで自分はオーディンの本当の息子ではなく「氷の巨人」の一族、しかもヨトゥンヘイムの王の息子であることに気づいてしまう。

 

「本当の息子じゃないから」「醜いバケモノだから」「だから皆んな兄ばかり!父上も兄ばかり!」「どんな手を使ってでも、認められたい……」こんな歪んだ感情で、彼の心はどんどん闇に閉ざされてしまう。

 

オーディンは、「決してそのようなことで差別していない。等しく愛する息子だ」と主張するもその愛は届かない……。

 

かー。ワタシはこの手の設定にめっぽう弱い。本作のロキしかり、細田守監督の『サマーウォーズ侘助しかり。

 

家族に認められたいゆえに、歪んだ行動をしてしまう。家族はそんことを求めておらず、ただただ普通に愛していたのに。

 

とても感情移入してしまい、ロキのことがかなり好きになってしまった。

 

ソーとロキの行く末が気になる

とまあ、嫉妬による兄弟の確執なんてベタベタの設定であるにも関わらず、本作にすっかりハマってしまう。

 

思えば、今のところ観ているアイアンマンもハルクもシリーズ共通の宿敵みたいなものはいなかったので(そもそもハルクは一作品のみだったが……)ソーとロキとの因縁がどう決着するのかアベンジャーズ系は全部観てるので、ある程度は予測できるものの)、本シリーズを観ていくのがとても楽しみだ。

 

MCUメモ

前回記事から始めたコーナー。他MCU作品につながるシーンを備忘録的にまとめていこうという試み。

抜け漏れがあったり、気づいてない点、ご意見あったら是非コメントください。

 

本編

そもそも本作は『アイアンマン2』の裏番組に近い時系列だと言う話は、前述した通り。それ以外について書いていく。

ジェーン(本作のヒロイン)の父親代エリック・セルヴィグが言う「友人のガンマ線研究者」→多分『インクレディブル・ハルク

S.H.I.E.L.Dには向かおうとするジェーンをなだめる時の会話の中で。「優秀なガンマ線の研究者だったが、S.H.I.E.L.Dに関わったことで消息をたった」的なことを言ってた。

 

エンドロール後のおまけシーン

ロキに操られたセルヴィグが四次元キューブの研究を承諾させる→MCUシリーズ全般

インフィニティストーンとしても、本作が初登場。『キャプテン・マーベル』を鑑賞した後だとニック・フューリーが「四次元キューブ」を持っていら姿を観るとなんとも感慨深い。

 

今回も長くなってしまいましたが、ここまで読んでくれた方、ありがとうございました。次回もよろしくどうぞっ。