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【レビュー・感想】堀江貴文『「時間革命 1秒もムダに生きるな』| 時間哲学に留まらないホリエモン流 幸福哲学

あのホリエモンが時間をテーマした本を出すと言うことで、だーいぶから楽しみにしていた本書。

 

 

昨日(2019/09/20)発売だったのだが、あまりの面白さと刺さり具合に、手が止まらずその日の朝のうちに読み切ってしまった。

 

 

ホリエモンの時間哲学、即ちホリエモン自身の人生感であり幸福論に踏み込んだ一冊になっている。

 

 

ホリエモンの本を読んだことある人も読んだかのない人も、間違いなく読んで損はない一冊!超オススメです!

時間革命 1秒もムダに生きるな

時間革命 1秒もムダに生きるな

 

「Time is life」時間は命

「Time is Life.」――時間は人生そのものだ。ぼくたちの人生の価値が湧き出てくる源泉なのだ。

堀江さんが「電話をかけてくるやつとは仕事をしない。信用しない」と主張してるのは有名は話。電話は個人の時間を奪い、リズムを崩すからだ。

 

 

それだけ、堀江さんの時間への思いは強い。

 

 

前著の『捨て本』でもこんな風に述べてる。

僕は自分が人よりも優れた知識や技術を持っているとは、一度も思ったことがない。努力を重ねている自覚もない。

ただ、 誰よりも時間を大事にして生きている。

捨て本

捨て本

 

ここまで言う堀江さんが初めて「時間」をテーマにした本書では、冒頭に「Time is life」と言う言葉が使われている。時間は命。

 

 

たしかに、お金は使っても稼げば取り戻せる。でも時間はそうはいかない。どんな人間に対しても平等に、有限にしか与えられない資源だ。

 

 

当たり前のことのはずなのに、あらためて突きつけられるとゾゾーッと背筋が凍る。

 

 

なんでこんな大切な事実なのに、ハッとさせられるのか。それは日頃から意識してないから……。そう思うとまたゾッとする。

 

 

とまぁ本書はこんな感じで、時間に対するマインドをオン・ザ・エッジが効いたホリエモン節に乗せてバシバシ伝えてくる。それがも〜刺さる刺さる。ワタシの身体は穴だらけだ。

 

 

Kindleでハイライトした部分が多すぎて、全てを紹介しようとすると、本文丸々コピペすることになり兼ねない。

 

 

なので、以降はあえて本書のキーワードである「時間」を外して、「時間」から派生して本書で語られていホリエモンの考える「幸せ」について書いていく。

 

 

皆さん、あのホリエモンにとって「人生の幸せ」がなんなのか、想像つきますか?

 

 

ホリエモンが考える幸せは「点」ではなく「線」

時間は限られているからこそ、「楽しい仕事しかしない」と堀江さんは主張する。これは最近よく聞く「好きなことを仕事にする」考え方に近い。

 

 

しかし、この考え方には「苦労したから得られる成果や幸福があるはずだ」という反論があるだろう、と堀江さんは言う。ワタシもどちらかといえばそう思っちゃうタイプ。

 

 

「今が一番。今を楽しむ」的な考えは、なんか後ろめたい。「将来の幸せに向けて時には苦しい思いをしながら努力する」を美徳として育てられたし、実際そういう風に生きてきたしなぁと。

 

 

そんなワタシのような凝り固まった幸福論を持つ人に、堀江さんは本書でこう返す。

たくさんの人が、幸福について誤解していると思う。だいたいみんな、幸せというものを、何か高尚なものだと思いすぎなのだ。

 

 

幸福というのは、努力や成長を積み上げた先にある「点」などではない。日々のあらゆる時間のなかに横たわっている「線」だ。

つまり、グーッと我慢を重ねて、あるときポンッといきなり幸せに「なる」のではない。ぼくたちはいつでも幸せで「ある」ことができる。

 

 

100%の幸福なんてものはない。あるのは、「ちょっと幸せ」とか「まあまあ幸せ」とか「めちゃくちゃ幸せ」といった「度合い」だけだ。 

ほんとに目からウロコだった。これまでのワタシは、努力した先にこそ何かを大きな何か、即ち成功や達成感があると思ってた。

 

 

イメージとしては、頂上を目指す登山だ。素晴らしい絶景を観るためだったら、どんなに過酷な山道も登らなきゃいけない。そんな考えだった。

 

でも、その山道があまりにも辛く、楽しくないモノだったら本末転倒ということだ。

そう考えてみると「できるかぎりの幸福を目指してがんばる」というのは、じつは矛盾している。

 

より大きな幸せを追求してがんばるということは、そのプロセスにおいて苦労や苦痛も大きくなることを意味するからだ。

 

 

人間の三大欲求こそ「幸福を感じるツール」

では、「より多く」幸せになるために、何が必要なのだろうか?  それ「食欲・性欲・睡眠欲を満たすこと」――これに尽きる。

堀江さんはこう続ける。結局、人の幸せは三大欲求を満たすこと

 

 

ヒトという生き物は1日サイクルで食欲・性欲・睡眠欲がリセットされるようになっている。

どれだけ美味しいご飯を食べても、翌日にはお腹がすくし、別の美味しいものを食べれば美味しいと感じる。睡眠欲も性欲も同様だ。

 

 

だから、睡眠時間を削って仕事を続けたりすることは、本当に愚かなこと。

別にこの3つが満たされれば幸せなんだから、そこまで無理する必要ないじゃない!今の時代この3つを満たすくらいだったら、割と簡単でしょ!?ってことだ。

ぼくたちには、毎日つねに幸福を感じられるように、「食欲・性欲・睡眠欲」という最高のツールが用意されているわけである。

 

幸せというのは本来、こういう手近なものだ。

 

そして、それをいつでも手軽に得るための機能が、人間にはもともと実装されている。

 

かなり衝撃だった。

 

 

起業家として確実に成功者と言える堀江貴文

 

 

ワタシなんかよりお金もあるだろうし、幅広い経験を積まれてるであろう堀江さんが、まさか「食欲・性欲・睡眠欲を満たせれば十分幸せ」なんて言うと思ってなかったからだ。

 

三大欲求をツールと表現するあたりも、センスを感じる。

 

まとめ

本書は堀江貴文による初の「時間」をテーマにしたビジネス書。

 

 

「時間をどうすれば効率的に使えるか?」というHow to や Tips よりかは、そもそもの時間に対するマインドをに重きを置いた本になっている。

 

 

前述したように、堀江さんにとって時間は命であり人生と同等なので、本書では時間に限らず人生観にも踏み込んで書かれている。この記事では紹介しなかったが、健康についても1章丸々割かれている。

 

 

記事冒頭の繰り返しになるが、めちゃくちゃオススメの一冊なので是非読んでほしい。今すぐ買うべし!

 

あとがき

以前、『超筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由』を読んだときの記事にも書いたけど、ワタシはビジネス書を2つに大別している。

  1. 1つは実用的なノウハウやスキル、知識が身につく教養書な本
  2. マインドや考え方に呼びかけてくれ、モチベーションをアゲてくれる栄養ドリンク的な本

jokigen.hatenablog.com

 1.はもう一段階分けることができて、1つは実践しやすいTips的なノウハウが詰まった比較的軽く読める本。例えばDaigoの本や最近売れている『インプット大全』とかはこっち。

 

 

もう1つは、ちょっとその分野について詳しく書かれた教養書。読むのもちょっと腰を据える必要があるやつ。池上彰さんの本とかはこっち。

最短の時間で最大の成果を手に入れる 超効率勉強法

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学び効率が最大化するインプット大全

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そして、ワタシんの中で2.の栄養ドリンク的アゲ本の最たる位置にいるのが、ホリエモンの本だ。ワタシはホリエモンの本が本当に好き。 

 

 

実はホリエモンが書いてないんだ!なんてことが騒がれたこともあったが、ワタシとしては正直どうでもいい。書かれている内容は堀江さん自身の考え方に間違いないだろうろうから、実際に手を動かしている人は誰でもいいんだと思う。

 

 

そんな堀江さんの本が好きな理由が、今回明確にわかった。

 

シンプルで尖った表現が心地よいというのは勿論ある。でも、1番大きな理由は、堀江さんの根底にあるマインドが意外と身近で普通の人目線に近いからだ。もっとくだけた表現をすると意外と庶民派なのだ。ホリエモンは。

(そもそも"普通の人"とかいう表現を使っている時点で、ワタシの限界が見えている気もする。"普通"とか"特別"とかない!とにかくやれ!ってのが堀江さん含め多くの成功者が本に書いていることなのだから。でも敢えてココではそう表現させてもらう)

 

 

「三大欲求が満たせればいい」

「別に大きな目標があるわけじゃない。楽しそうだなと思ったその時その時、とりあえずやってみる」

「人生は大きな川のようなもので、基本は流されるまま。だから流れには逆」

 

 

これが堀江さんの基本スタンスなわけだが、「子供の頃から将来の目標やヴィジョンを描いて、それに向けて努力してきました」って語る成功者に比べると、身近な存在に感じられないだろうか。ワタシは超感じる。

 

 

電話に出ないとか、ホテル住まいをするとか家事は全部代行サービスに投げちゃうとかは、正直やっぱり実践できるほどお金も勇気もないけれど、この基本スタンスはマネできそうだなと思えるし、最も共感する部分でもある。

 

 

これがワタシが堀江さんの本を手にとって、言葉に触れたいと思う理由なんだと、今回改めて感じた。より多くの人に堀江さんの言葉に触れてほしいなと思う。