【ネタバレあり感想】『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』
この3連休を利用して『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を観てきました。上映から半月強の間、ネタバレに怯えつつ、でもみんなの感想記事が読みたい衝動も必死に抑えつつ、満を辞しての鑑賞でした。
相方さんとSWシリーズを見直す個人企画も、エピソード7からの感想記事はまだ書けておりませんが、記憶が新しいうちに本作の感想記事を綴っておこうと思います。
もう本当に楽しみに迎えた本作ですが、結論だけ書いてしまうと個人的には「微妙〜だったかなぁ」という感じです……。
#スカイ・ウォーカーの夜明け やっと観てきた!!
— ありひと (@rihito_ymoymo) 2020年1月12日
んー。んー、、、、。
スター・ウォーズという作品が誰の物語かわからなくなっちまったなぁ。
**以下、ネタバレありで感想を書くのでまだ観てない方はご注意ください。**
スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け オリジナル・サウンドトラック(限定盤)
- アーティスト:ジョン・ウィリアムズ
- 出版社/メーカー: Universal Music =music=
- 発売日: 2019/12/20
- メディア: CD
一言あらすじ
すべて閣下の仕業
感想
「う〜ん……。」
鑑賞後の口に出たのが上記の唸り声でした。率直な気持ちでしたねぇ。決してつまらなかったわけじゃないです。続編として広げた風呂敷もよくまとめてたと思います。
ただファースト・オーダーによる悪行もカイロ・レンを暗黒面に導いたのも結局、ダース・シディアスこと皇帝パルパティーンの仕業だったというオチは、個人的には微妙でした。
いや、予告でパルパティーンの声が入ってるのを聞いたときは正直テンション上がりましたよ。本作品にどう関わってくるのかな?っていう期待感に胸を踊らせたのは事実です。
でもまさかぜ〜んぶの黒幕が彼でした!となるとは思ってなかったなぁ。しかもその秘密も本作の超序盤で明かされちゃうし。スノークもパルパティーンの操り人形と聞いたときは肩透かしを食らった気分でした。
パルパティーンが実は生きてたっていうのは、ファンサービスのつもりかもしれないけど、個人的にはポッと出の黒幕にしてほしくなかったのが正直なところ。パルパティーンも旧三部作はラスボスとして、新三部作では元老院側の人間が実は黒幕だったという役で、わたしが改めて言うまでもなく本シリーズの重要人物なわけですよ。
新三部作では彼が議員時代からせっせとシス復活のために暗躍していた姿が描かれたわけだし、旧三部作ではまんま悪の親玉として存在していて、その彼の生立ち?生き様?を知ってる身としてはエピソード6のパルパティーンの死は、それなり大きい意味を持つわけで。
それが「古代シスと帝国の技術」とかいう、これまた便利なオーバーテクノロジーで生きていたというのは、なんとも安直な印象を受けました。
ファイナル・オーダーの艦隊が持つキャノン砲もいただけなかったです。あれだけ苦労して作ってた星を丸ごと壊す「デス・スター」。その設計図を巡って『ローグ・ワン』っていう名作映画が一本丸々作れるくらいの兵器だったのに、前述の「古代シスと帝国の技術」を使えばファイナル・オーダーの艦隊全機に同等の破壊力を持たせられるというのも、なんとも……。あの苦労はなんだったのかって感じです。
「スカイウォーカー・サーガからの脱却」みたいなテーマはいったいどこに
レイの祖父がパルパティーンだったというのもイマイチだったかなぁ。エピソード8で「名もなき人」が親だと言っていた設定はどこにいってしまったか。
エピソード8の最後にカントバイトの少年が箒に向かってフォースを使うシーンは「血筋の物語からの脱却」というメッセージが込められているという考察を読み、実際そのテーマで物語がどう終わるのかをとても楽しみにしていました。
でも結果はガッツリ血筋の物語。なんか、落ちこぼれとされていた少年は実は4代目火影の息子で、忍びの始祖となる人物の末裔だった『NARUTO』を思い出しちゃいましたよ。
エピソード7とエピソード8で監督が違うのも有名な話ですが、J・J・エイブラムスにもライアン・ジョンソンにも違ったビジョンがあったんでしょうね。作り手が変われば、話が変わる。仕方ないことなのですが、続三部作全体としての大きな方針はなかったのかなって思っちゃいます。
今回のラストは予定されていたラストだったのか。そうでないとしたら、全体方針が決まってないのに続編を作ってしまうのなのか。
エピソード8は批判が大きかったと聞きますが、わたしはディズニーとしての新しいスター・ウォーズが観られることに期待していました。どうせ続編を作るのであれば、今までにないスター・ウォーズを観せてほしかった。でも結局、本作のように無難に置きにきてしまった。
そりゃ映画もビジネスなので、きちんと着地させなければいけないってのは重々承知してますよ。してますが、だったらそもそもの話、この続編は本当に描く必要のある物語だったのでしょうか。
金になるから作るだけ作り始めて、観る側の顔色伺いながら、無難に丸く収めるた感が強い本作によって、わたしの続三部作の印象は「蛇足」感がグッと強まってしまいました。
過剰なフォースの拡大解釈
これもちょっときつかったですね。元々続三部作ではフォースのトンデモっぷりはツッコまれまくってましたが、最終作はより拍車をかけてきて、最早魔法でしたね。(この辺も『NARUTO』を彷彿させる)
相手の姿が見えるテレパシーくらいならよかったのですが、そのつながった状態での戦闘。それも精神的なバトルではなく、現実世界の物体に干渉できちゃうのはどうなんだろうと。しまいには物体の転送までやっちゃうし。
あのヨーダでさえ、Xウイングを沼から持ち上げるときは精神を統一し、身体をプルプルさせながらやっとの思いでやってたのが、本作のレイはいとも簡単に飛行中のシャトルを片手で止めちゃったりしちゃいます。これも「皇帝の血筋だから……」と言い切られたらそれまでですが、違和感が強かったです。
予告にも不満
予告もなぁ〜。本作の予告ではいかにも暗黒面に堕ちたレイが今まで見たこと無いタイプの双刀型ライトセイバーを構えるシーンがありました。
めちゃくちゃ思わせぶりな予告で、どういう展開になるのか?レイは本当に暗黒面に堕ちるのか?その理由は何なのか?と想像を掻き立てられ、とても楽しみにしていたのですが、なんのとはない。本編では自分の闇の部分と対峙する描写として一瞬レイ自身が戦うだけでした。それもほんとに一瞬。
予告詐欺だ!なんて言えば、お前が勝手に妄想してただけだろ!と断じられるでしょう。むしろ観る側が興味を掻き立てるシーンを抜くは予告として当然です。別に何もおかしなことはしてないのですが、でもやっぱり残念感は否めないです。新しい何かを観せてくれると期待してただけに、思った以上に薄っぺらいシーンでした。
ディズニーのビジネスに振り回されてしまったスター・ウォーズ
わたしのモヤモヤを総括すると、このひと言に付きます。ディズニーに弄ばれてしまった感は否めないですね。今後エピソード10から12まで作るみたいなニュースも観た気がしますが、正直もうやめてくれというのが本音です。
さいごに
ほぼ愚痴ばかりの記事でした。続三部作が好きな方にとってみれば不快な記事になってしまったかもしれません。
話は変わりますが、わたしはかつて『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』を観たときに単純なリメイクに収まらず、新しい要素を取り込みながらも王道展開なエンタメに仕上げた庵野監督を絶賛しました。
そして、その約3年後に上映された『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 』を観てめちゃくちゃ憤ってました。なぜあのまま大人しく:破の続きをやらないのか?余計なことせず、ファンが求めるエンタメを作っておけばいいんだよ!!と。(何度も観るうちに、結果的に:Qは好きな作品になりましたが)
でもきっとスター・ウォーズの続三部作で言えばエピソード8は:Qに相当するし、今回のエピソード9は、わたしが一時求めていた:破の続編(多くのファンが期待する王道のエンタメ)に相当すると思います。でも結果、わたしはその終わり方に不満を感じていると。
つまり何が言いたいかというと、結局観る側は好き勝手言うんですよね。だから今回の『スカイウォーカーの夜明け』に対する感想は、あくまでわたしの個人的感想であり、続三部作が好きという方は、好きのまま貫き通してほしいと思うわけです。
そんな感じで『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の感想でした。ありひとでした〜。