無機質にアウトプット

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【感想②】『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』

前回記事は勝手なルーク最強説を語って力尽きてしまった。さすがにまだ書き足りないことがあるので、今回も『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』について書いていく。

jokigen.hatenablog.com

ネタバレありきで感想を書くのでまだ観てない方はご注意ください。

 

作品の世界感としては(一旦)完結作となる本作を観て、やはりダース・ベイダーについては語らずにいられない、

 

 

ワタシがスター・ウォーズシリーズを好きな理由は多くあるが、その中でも「ダース・ベイダーというキャラクターが好き」というのは最も大きい。

 

 

黒を基調としたデザイン、物々しいマスクによって素顔が隠されたミステリアスさ、圧倒的強さ、元はジェダイ側だったのに闇落ちした背景、そしてベイダー卿の象徴ともいえる不穏なマスク呼吸音。全てが魅力的である。

 

 

元々小さい頃からどんな作品でも怪獣や悪の組織、いわゆるヴィラン側のキャラを好きになるワタシとしては、初めて「ダース・ベイダー」を目にしたときは一目惚れに近い感覚だった。コレぞまさにカッコいい悪役!という衝撃を受けたのを覚えている。

 

 

本作ではそんなベイダー卿の葛藤が描かれる。

 

 

部下にはあれだけ冷酷で典型的なブラック上司だったにも関わらず、息子ルークの前では中々人間くさいし、しおらしい。

 

 

わざと帝国に投降し父親の説得を試むルークに対しても「全てが手遅れなのだ」的なことを言うなど、この辺からベイダー卿の心にある迷いの炎は大きくなっているように見える。

 

 

皇帝ことダース・シディアスのフォースライトニングに苦しむルークと皇帝の顔を交互に見るシーンはなんとも胸がギュッとなる。

 

 

あんなに無機質なマスクをつけていて表情は見えないのに、なぜかベイダー卿が悲しそうに見えるのだから不思議だ。

 

 

本作のサブタイトルが「ジェダイの帰還」というのも秀逸だ。

 

 

このサブタイトルは元々「ジェダイの復讐(原題: Revenge of the Jedi)」だったらしいが、「高潔なジェダイに"復讐"はそぐわない」という理由から今のモノになったとか。

 

 

"帰還"というのは、滅びたとされていたジェダイがルークの活躍によって復活したと意味と、暗黒面に落ちたベイダー卿がアナキンとして帰ってきたという意味も込められていると聞いたことがある。

 

 

むしろワタシは後者の意味が本作を、もっと言うと本シリーズを象徴していると思っている。

 

 

ラスボスを倒すのがルークではなく、ベイダー卿である本作を観る度につくづくスター・ウォーズってアナキン・スカイウォーカーの物語なんだなぁ」と感じる。

 

 

ちなみに最近の媒体で観るとラストの大団円のシーンでヨーダ、オビワンと共に、勝利に喜ぶルークたちを見守るアナキンが新三部作でアナキンを演じたヘイデン・クリステンセンの姿に差し替えられている。

 

 

個人的はこの演出変更はあまり好きではない。ワタシが初めて観たのは劇場公開版のVHSだったので、このシーンは差し替え前だった。

 

 

暗黒面の呪縛から解き放たれ、マスクをつけづに息子を見守る姿はまさに父親で、その姿にとても感動した記憶がある。

 

 

若い姿だとその感動は薄い。というか本シリーズを初めて観たかつ、公開順で観ている人からすると誰?コレ?お前はアナキン?って感じである。

FIGUAX トリコ Vol.2 美食屋四天王 ココ

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新三部作との整合性を取るために仕方なかったのかもしれないが、(あと差し替え前のアナキンを演じていたセバスチャン・ショウがルーカス監督と仲が悪かったという話も聞いたことがある。関係しているかは不明だが)このシーンは特に差し替えないでほしかった。

 

 

最後は小言で終わってしまったが、本作が名作であることは変わらない。アナキン・スカイウォーカーという人物を軸によくもここまで壮大なストーリーを広げ、綺麗にまとめたと思う。

 

 

時代がいくら経ってもこの評価は変わらないんだろうなぁと。

 

 

今年は年末にエピソード9が上映される。楽しみではあるが、本作を観るとやっぱりエピソード7以降の新作たちは蛇足だったと思わざるを得ない。