無機質にアウトプット

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【ネタバレあり】『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』感想 | 映画の感想書くつもりが、キングギドラの声ばかりの話をしてしまった

感想が書くのが遅くなってしまったが、映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』を観てきた。

まさにハリウッド版怪獣大戦争と言っても過言ではない、激アツモンスターバトルだった。ゴジラ好き・怪獣好きには是非オススメの作品。(そもそも怪獣好きなら言われるまでもなく観てるかも、しれないかもしれないけど)

 

早速ネタバレ有りで、感想を書いていくので、まだ観てない方はご注意を。

 

 

出し惜しみされることのないハリウッド版ゴジラ怪獣

本作で個人的に良かったと思う点はテンポの良さ怪獣大戦争ものだけあって、メインとなるのはやはり怪獣同士のバトルなのだから、当然ちゃあ当然なのかもしれないけど、各怪獣の登場までを引っ張ることなく、どんどん怪獣が登場してくれるのは良かった。

まず主人公ゴジラよりも先に登場するのは、幼虫形態のモスラ。海外でデザインされたワーム型のクリーチャーぽく昇華されたデザインに「なるほど〜。こうきたか」と納得。さすがにチョココロネ、じゃがいもヘッドじゃないのね。

 

ゴジラ ムービーモンスターシリーズ モスラ(幼虫)

ゴジラ ムービーモンスターシリーズ モスラ(幼虫)

 

そして、怪獣を利用して増えすぎた人類を排除し、自然の秩序を取り戻すことを目的としたテロリストが登場したあとは、モンスターゼロことキングギドララドン、その他オリジナル怪獣があれよあれよと地上に現れ、暴れまくってた。

当然、主演のゴジラも比較的序盤からバンバン他の戦う。出し惜しみは一切なかった。

 

本作でも宇宙怪獣だったキングギドラ

本作の目玉怪獣とも言えるキングギドラ。事前に彼(?)が登場するが発表された際は、ガッツポーズした映画ファンも多かったのではないだろうか。もちろん私もその一人だった。

というのも、私はゴジラ怪獣の中でキングギドラへの思い入れが強く、ハリウッド版でどう料理されるかとても楽しみだった。特に今回注目してたのが声である。なぜ声なのか?

熱心なゴジラファンの方なら、ご存知かもしないがキングギドラが初登場したのは、1964年に公開された映画『三大怪獣 地球最大の決戦』である。

高度な文明を持っていた金星を3日間で滅ぼしたという設定と、そのビジュアルに当時の観賞者は衝撃を受けたのではないだろうか。とはいっても、私は当然リアルタイムでそれを観た年齢ではないし、私が初めて観たキングギドラは平成vsシリーズの『ゴジラ vs キングギドラ』だったので、当然ビジュアルも知っていた。

 

だけど『三大怪獣 地球最大の決戦』を観たときはめちゃくちゃビックリした。なぜか。

キングギドラの声である。よく怪獣のイメージがある「ガオー」的な音ではなかったのだ。

 

「ティロティロティロリン♪」

 

無理やり文字ににするとこんなところか。いや、ちょっと違うな……。難しい。

なんにせよ初代ギドラの声は生物感ゼロの電子音だった。後々調べるとエレクトーンによる電子音が採用されていたらしい。当時は相当画期的な発想だったと思う。でも、驚いたのは「怪獣の声に電子音を用いた」ことではなく、その電子音が聞き慣れた音だったことだ。

 

私の中でその音は『ウルトラマン』に登場する科学特捜隊基地に外部から連絡が入るときの着信音だった。

 

私は幼少期、親が夏休みの再放送で一挙放送していたのを録画してくれた『ウルトラマン』をず〜っと繰り返し観ていた。ず〜っと。私の曲がりなりにもヒーロー好き、特撮好き、怪獣好きなのは、そこから来ている。

 

だから、この着信音はとても馴染み深いSEなのである。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』で劇中ミサトさんの着信音がこの電子音になっていることに気づいたときも、「庵野め。相変わらず特撮に対するオマージュしやがって。さすがのウルトラマン好き。わかってんな〜」とニヤニヤしていたものである。

自分は多少なり特撮に造詣が深く、庵野のオマージュにもちゃんとわかる人間だということに、酔っていたといっても過言ではない。

 

ちがった。

 

そもそも自分が知ってた『ウルトラマン』で使われているのも流用だったのだ。オリジナルは着信音ではなく、怪獣の声だったのだ。

そうなると私が『三大怪獣 地球最大の決戦』を観て、衝撃を受けたのもわかってくれるだろう。

自分がずっと着信音だと思ってた効果音が、実は怪獣の、しかもあのキングギドラの声だったこと。そして、宇宙怪獣、すなわち"地球の怪獣とは異なる存在"という位置づけから、生物らしからぬ無機質な電子音が使われているセンスの高さ。

自分の知識の浅さと、その圧倒的なセンスにガツンとやられたのが、『三大怪獣 地球最大の決戦』だった。

 

話がだいぶ逸れたが、そういった経緯があり今回のハリウッド初登場となるキングギドラの声がどうなるか、私はとても注目していた。

 

結果として、本作のギドラの声は一般的な怪獣らしく「ガオー」的な声だった。(すいません。チープな音で。もっとカッコ良かったです)

 

期待した声ではなかったものの、今回のギドラはCGを駆使し、表情豊かに表現されており、生物感満点、もっと言うとモンスター感満点だったので、これで「ティロティロティロリン♪」ては合わなかったと思う。なので、これはこれで良かった。

 

ただ電子音を使わずとも、ギドラが地球外の理に属する宇宙怪獣という設定はきちんと踏襲されており、本作ではその設定を圧倒的な強さで表現していた。

 

巨大なハリケーンを自在に操る能力と、首を引きちぎられてもその場で生えてきてしまう強力な自己再生能力。うん。スペック高すぎ。

 

個人的には自分の好みのギドラは、初代のように奇妙な電子音を鳴らし、動きもそこまでスムーズじゃない無機質で異様な存在。言うなれば『新世紀エヴァンゲリオン』の使途みたいに生物ぽいのに何を考えてるかよくわからない不気味さを求めてる。(でも、これもよく考えれば使途に東宝特撮チックの電子音が使われており、それも庵野監督が意識してたとしたら、そもそも使途ぽさというイメージも逆輸入なのかも)

 

そう言う意味ではアニゴジ三作目『GODZILLA 星を喰う者』のギドラは結構私好みだった。

 

今回のギドラも勿論悪くなかったが、ハリウッドはギドラをエイリアンに近い存在で描いていると感じている。日本の特撮怪獣だったら、多分ああいう首の生やし方はさせない(笑)

 

結局、キングギドラの話ばっかりしてしまったが、結論としてはオススメの映画。ハリウッドはゴジラ怪獣をこう解釈するんだと、本シリーズ(モンスターユニバースだっけ?)の本格始動を感じさせる作品だった。