【ネタバレあり・感想】映画『アイアンマン3』 | MCUマラソン第6弾
前回『アベンジャーズ』を観終え、MCUマラソンもいよいよ今回からフェーズ2。
元々『アイアンマン』シリーズしか観ていなかったわたしとしては、各ヒーローの顔出しデビューの色が強かったフェーズ1に比べて、より『アベンジャーズ』の物語に深く関わってくるフェーズ2はとても楽しみにしていた。
ところが事件は起こる。ともにマラソンを走ってきた相方氏が信じられない一言を発したのだ。
「きみ、観るの遅いから私ひとりで『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』まで観ちゃった」
ふぁー!!!なんてことを!一緒に観ようって言ったじゃん!!!おまえの血は何色だァァァ!
と、危うく我が家でシビル・ウォー勃発の危機だったが、わたしのペースが遅いのは確かで、そう言われてしまうと分が悪い。しかも一度観ているシリーズならまだしも、今回はほとんど見ていない作品ばかり。下手に刺激して、ネタバレなんてされたら堪ったもんじゃない。
ということで、しぶしぶわたしも単独で鑑賞会を黙々と実施。感想記事にするタイミングも完全に失いながら、2020/02/24現在で『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』まで鑑賞終了の状況である。
フェーズ3に入っとるやん……。
なので、記事は完全に後追いの形になってしまっているのだが、乖離しすぎないように少しずつ回収していこうと思う。
本作の位置付け
本作はMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)シリーズの7作目に位置する。公開は『アベンジャーズ』の翌年である2013年。
前作『アベンジャーズ』で「フェーズ1」に区切りがついて、「フェーズ2」としての第一作にあたる一方で、『アイアンマン』シリーズ単体としては完結作となる。ちなみに日本でのキャッチコピーは「さらば、アイアンマン」。
MCUシリーズ フェーズ2
- 『アイアンマン3』(2013年公開)
- 『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013年公開)
- 『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014年公開)
- 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年公開)
- 『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年公開)
- 『アントマン』(2015年公開)
ざっとあらすじ
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ニューヨークにおけるロキとチタウリ軍との戦いから7ヶ月、これまで想像もしたこのもない現実離れした戦いを経験したトニー・スタークは不眠症・パニック障害を患い、スーツ依存症といえる状態に陥っていた。
一方アメリカ国内では、マンダリン率いるテロリスト集団「テン・リングス」による爆破テロ行為が人々を脅かしていた。
事件を知ったトニー・スタークはマスコミを通じてマンダリンに宣戦布告をするが……。
***
以下、ネタバレを含む感想を書いていきます。まだ観ていない方はご注意ください。
感想
2回目の鑑賞であるが、やはり面白かった。『アイアンマン』完結作として申し分ない作品だ。
スタークのスーツ依存症から始まり、その克服、そして最後は自らアイアンマンスーツを全台破棄するという選択をする一連の流れは、文字通りスタークのアイアンマン卒業の物語だったと思う。
事件の発端となる1999年のスイスの学会でのスタークの横柄で自信過剰な態度から、話の始まりを描くことでのスターク自身の人間的な成長、ヴィラン側によるミス・ポッツ誘拐によるスタークにとってのポッツの存在感の大きさ、それぞれを上手に感じさせてくれる構成だった。(基本は横柄で自信過剰な性格は変わってないけれど)
ただ成長したと言っても、スタークの不安定メンタルぷりは相変わらずだった。わたしの中でトニー・スタークは「いつも不安定な人」というイメージが強いのだが、そのイメージは本作から来ているものだろう。
確かに、不安定になる気持ちはわからなくはない。劇中でも本人自身が語っていたけれど、所詮は頭のいいイチ地球人に過ぎない彼が神様だの、宇宙だのの戦いに巻き込まれたらパニック障害にもなりたくだろう。そのへんの人間らしさ『アイアンマン』の人気のひとつなのかも。
個人的に好きなのはそんな不安定メンタルから立ち直るきっかけが、ちょっと生意気な少年ハーレーからの「エンジニアでしょ?」という言葉だったこと。自らモノを作ることで自身の芯を取り戻すスタークは、曲がりなりにもエンジニアであるわたしから見てとてもかっこいい。
ストーリーや演出だけじゃなく、シーンとして好きだったのは、やっぱり最終決戦の「ホームパーティ・プロトコル」。あれはアツい。激アツだ。
わたしが『アイアンマン』シリーズが好きな理由のひとつに作品を追うごとに、スーツに使われている技術が目に見えて顕著に、しかもシャープにグレードアップしていくところがある。
一作目ではスーツそのものが出来上がり、それを装着して飛び回ること自体がすごい。『アイアンマン2』ではスーツケースサイズに持ち運びができるようになり、装着も補助してくれる。
そして本作『アイアンマン3』では、パーツごとに装着者のもとに飛んできたり、完全なリモート捜査まで実装。しまいにはオート操作によるアイアンマン軍団の実現。
これを観てテンション上がるなというほうが無理である。ぜひともこういう未来が来てほしいと心から思っちゃう。
引越し恒例の市役所で書類届のために待ち時間。
— ありひと (@rihito_ymoymo) 2020年2月3日
窓口で対応する人、案内する人、番号札を渡す人、裏で書類を準備する人。
すごい人の量やで~。みんなアイアンマンにしたらええ。#アイアンマン3#ホームパーティープロトコル
本作で強いてひとつ不満を挙げるとすると、インセン博士の扱いかな。いや、インセン博士が登場してくれたことは嬉しいのだが、どうせ出すならもう少しスタークの中で彼に対して思いを馳せるシーンがあったらよかったと思う。
インセン博士にせよ『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』エイブラハム・アースキン博士にせよ、それぞれヒーロー達にとって命の恩人であり、そのヒーローの生みの親といっても過言ではない存在だと思っている。
だから、そこまで熱心なファンじゃなければ本作のインセン博士に対して「この人だれだったかなぁ〜」ってなってしまうのが残念だ。
個人的にはスタークの心のなかには常に「インセンとの出会いがあったからこそ、今のアイアンマンが……」という気持ちを持ってくれてたらアツいし、シリーズ中でそういうシーンが都度都度あったら良かったと思うのだが、まあ完全にこれは個人の嗜好の話ですね。原作ではどうなんでしょ。
MCUメモ
他MCU作品につながるシーンを備忘録的にまとめていこうというコーナー。
抜け漏れがあったり、気づいてない点、ご意見あったら是非コメントください。
今回は『アイアンマン』単体もの最終作ということで、他作品へのつながりはそこまでなかった印象。当然ニューヨークの事件(『アベンジャーズ』)は前提に会話が行われていることは多々あったけど。
ラストにブルース登場→MCUシリーズ全般
この『アイアンマン3』の話自体が過去の話ということで、スタークの独白によって語られているという設定。そしてその聞き手がハルクことブルース・バナー博士。ほとんど寝てたけど。
しかし、『アベンジャーズ』の感想記事でも触れたけど2人は仲いいね。