無機質にアウトプット

読んだ本や観た映画の感想を書いていきます。

ジャンプ漫画『ハイキュー』の北信介から学ぶ継続と反復の大切さ

前回記事で習慣を扱ったビジネス書『習慣が10割』を紹介した。習慣の話をきっかけに少年ジャンプのバレーボール漫画『ハイキュー』のとある1話が頭に浮かんだ。

 

著作権の関係上、マンガのコマを記事に貼れないので、イメージしづらいかもしれないが、その話が習慣を語る上でとても良い話なので紹介しておこうと思う。

jokigen.hatenablog.com

『ハイキュー』とは

ハイキュー!!』は、古舘春一による高校バレーボールを題材にした日本の漫画作品。『少年ジャンプNEXT!』(集英社)2011 WINTER、『週刊少年ジャンプ』(集英社)2011年20・21合併号にそれぞれ読切版が掲載された後、『週刊少年ジャンプ』にて2012年12号より連載中。

ーWikpediaより引用

おおざっぱな紹介に留めておくが、ジャンプで人気のバレーボール漫画だ。アニメ化もされており、2019年現在までに3期まで制作されており、2020年には4期の制作も決定している。

 

最近のジャンプのスポーツ漫画には珍しく、とんでもな技や超人的な能力、108式の波動球とか出てこない本格派なバレーボール漫画だ。

ハイキュー!! コミック 1-38巻セット

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第274話 頭

紹介したいのは『ハイキュー』の第274話『頭(かしら)』というお話。春高全国大会編の真っ最中で、主人公が所属する烏野高校は、インハイ準優勝を誇る兵庫県代表稲荷崎高校との対戦中の話となる。

 

本作の特徴として、主人公だけにスポットを当てるのではなく、部員メンバー、果てはライバル高の登場人物ひとりひとりの人物像や背景を丁寧に掘り下げることが挙げられる。

 

この話も、稲荷崎高校のキャプテン北 信介(きた しんすけ)というキャラを掘り下げるのに丸々1話使われている。

 

おばあちゃん子で習慣を大切にしてきた北 信介

さて、信介くん。どんなキャラかと言うと作中では「決してスター選手ではないがコートに入るだけで空気をシメることができる選手。」と表現される。

 

技術や身体能力が特段高いわけではないが、練習でできることは試合でも必ずできると監督や周囲の部員から絶大な信頼を得ている。

 

性格は非常に合理的かつ常に冷静沈着。真面目かつ正論屋。言ってしまえばロボットのようなキャラで、部員は彼の正論パンチを恐れている一方で、その徹底された隙のなさにリーダーとしての信頼を寄せている。

 

そんな彼はおばあちゃん子だった。おばあちゃんは幼き信介くんに対して

誰かが見とるよ信ちゃん

神様はそこらじゅうに居るからな 

と、掃除など欠かさず、日々の生活を毎日丁寧に生きることを教えた。

信介くんは高校生になった今も、その教えをきちんと守り、学校のトイレ掃除・部室の片付け・ボール磨き・あいさつ・体調管理、そして当然バレーボールの練習を毎日・丁寧に・ちゃんとやり続けた。

 

信介くんは高校生にしては、非常に達観しており、結果よりは過程を重視する人間だった。

俺を構築すんのは毎日の行動であって"結果"は副産物にすぎん

恐ろしきドライっぷりである。

しかし、そんな信介くんも毎日の努力が実を結び、高校3年目にして初めてユニフォームを貰ったときは思わず涙を流す。(このとき後輩からは「北さんってもっと機械みたいな人だと思ってた」と驚かれる)

 

ユニフォームを貰った帰りに「これも結果のうちかぁ」と小難しく思いにふける信介くんに対して

細かいことはええねん!感情に理由なんか要らん!うれしいはうれしいでええんや!

と部員の一人からツッコミを受けて、珍しく声を出して笑う信介くん。こういうキャラの掛け合いから青春を感じるのが本作の良いところだ。

この話と信介くんから得られる教訓は「継続」と「反復」

第274話は、信介くんというキャラクターの掘り下げと、そのバックグラウンドがあるゆえに絶対にミスしないプレイヤーが敵チームにいる、という絶望感がたった1話にまとめられていて、とても良く出来ていると感じる。

 

ワタシは『ハイキュー』の単行本を集めていたわけではないのだが、この話が収録されている31巻だけ購入してしまった。

 

この話を読み返すたびに結局「継続」と「反復」が大事なんだって改めて思わされるからだ。もっとクダけた表現をすると「おし。オレも信介くんみたく毎日を頑張ろ!」って気持ちがアガる。 

ハイキュー!! 31 (ジャンプコミックス)

ハイキュー!! 31 (ジャンプコミックス)

 

少々ポエミーなことを書くが、才に恵まれなかったものはとにかく日々の積み重ねしかないと思ってる。ある日突然スーパーな能力なんて手に入らない。転生して異世界で最強になるなんてことは、絶対ない。

 

だから、「毎日の継続・反復」=「習慣」というものを大事にしなきゃいけないと思うし、皆心のどこかでそう感じているから、習慣本が売れるんだろう。

 

でも、続けるって本当にむずかしい。やれ「時間と場所を決めろ」とか「トリガーとなるアクションを作れ」とか「報酬を用意しろ」とか色々なコツが紹介されてるけど、それでもやっぱりずっと継続するってのは生半可な姿勢じゃできないだろう。

 

そんなときは、今日紹介した信介くんを思い出してほしい。できれば、ぜひこの話を読んでほしい。背景知識がなくても、この1話だけでも北 信介というキャラは十分伝わるはずだ。

 

単行本1冊だけ買うのはハードルが高いと思うから、『ジャンプ+』というアプリを使えばピンポイントで1話のみ読むことができる。(アプリ内のコインを消費する必要があるはずだが)

2019.08.19現在、『ジャンプ+』にて、8話まで無料で読めるみたいです。 そもそも本作自体が気になった方は是非お試しください。

 

北 信介の名言

さいごに、ワタシが独断と偏見で選んだ274話内の信介くんの名言をまとめておく。

 

緊張なんかする意味わからん

いつも以上の力発揮しようとするから緊張するんやろ

だって飯食うたり クソしたり 毎日の事には緊張なんかせんやんか

バレーかと同じやろ

練習でできとる事やったら緊張なんかせんやろ?

マジか。部活の試合でも、研究発表でもいっつも緊張で膝が震えるワタシ、涙。

 

毎日やんねん ちゃんとやんねん

信介くんの信念を一言で表すならこの言葉。

 

「反復・継続・丁寧」は心地ええんや

反復すること、続けることに脳が快を感じるようになったら、最強だよね。