【書評】『「続ける」習慣』| 習慣化を技術として、きちんと体系化したマニュアル
習慣本のご紹介第2弾。本書は習慣化を技術と捉え「習慣化メソッド」として、体系的にわかりやすく整理してくれた本。
言うなれば習慣化のマニュアルと言える一冊だ。
本書を読んでほしい人
本書はこんな人にオススメ。
- 習慣が大切なのは知ってる!でも続かないんだ!って人
- 具体的な方法論から教えて欲しい人
「習慣メソッド」とは
「習慣化メソッド」のポイントは大きく2つ。
- 習慣化のプロセス(習慣化までのプロセス)
- 継続のツボ(続けるためのやる気のコツ)
本書では、この2つのポイントをもとに習慣化を「反発期」「不安定期」「倦怠期」の3ステップに分けて、各ステップでどうすれば習慣化になるかを説明してくれる。
最初の7日で42%が挫折する
各ステップが「どんな時期」で「どのくらいの期間なのか」をまとめるとこんな感じ。
- ステップ1:反発期 すぐにやめたくなる(1日~7日)
-
ステップ2:不安定期 予定や人に振り回さ(8日~ 21 日)
-
ステップ3:倦怠期 じょじょに飽きてくる(22 日〜30日)
この3ステップを乗り越えて、約1ヶ月同じ行動を繰り返すことができれば、習慣になる。
しかし、本書によればステップ1の反発期(最初の7日間)でなんと42%挫折する。挫折率はステップが上がるほど、減少していく。
本書の良いところは、各ステップ単位で発生する症状(なぜ挫折したくなるのか)と挫折しないための対策を挙げてくれるところ。しかもその対策を更に掘り下げ、「効果」、「方法」そして「ポイント」まで詳しく解説してくれるので、読者はアクションを起こしやすい。
反発期の対策「ベイビーステップ」
例えば、反発期の対策の1つとして挙げられているのが「ベビーステップで始める」。
反発期を乗り切るには「 ベビーステップで始める」のが効果的です。 ベビーステップとは、「赤ちゃんの一歩」という意味で、簡単に言うと「小さく始めましょう」ということです。
反発期は、習慣引力が強く働き、やめたくなる気持ちが高まる時期。だから、大がかりに始めるのではなく、小さく始めるのがもっとも効果的な手段になるわけです。
この対策の「効果」、「方法」そして「ポイント」は以下の通り。
ベビーステップで始める「効果」
- 行動ストレスが少ない
- モチベーションに火がつく
ベビーステップで始める「方法」
- 「時間」を小さくする
- 「ステップ」を小さくする
ベビーステップで始める「ポイント」
- 実行できるハードルを設定する
- 物足りさを手放す
- 必ず毎日実行し続ける
他の対策も「効果」「方法」「ポイント」と同じ枠組みでまとめてくれているので、読みやすいし、重点がすぐにわかるようになっている。
「習慣メソッド」に従って、とにかく同じ行動を続けることで習慣化できる
結局のところ、習慣化のためには一定期間その行動を繰り返す必要がある。
ここで大切なのは、脳にとって、よい習慣、悪い習慣の区別はないことです。 脳からすると、ただ一定期間以上繰り返されたから習慣化しただけ。よい習慣でも、悪い習慣でも身についてしまいます。
「習慣メソッド」はその「行動の繰り返し」を挫折しないように、ステップごと対策していく方法だ。読者は、本書に従い各ステップごと対策を実施していけば、挫折することなく、目的の行動を習慣化できるだろう。
著者はこんな人
著者の古川武士さんは、習慣コンサルタントという肩書を持つ習慣教育のエキスパート。13,500人のビジネスマン教育、132名のベンチャー経営者へのコーチング実績を持つ。
ご自身で、成功した人間の習慣の共通点を分析・研究した結果、意思ではなく技術で"続ける"ための「習慣メソッド」を開発した。本書はその「習慣メソッド」をまとめた1冊になっている。
まとめ
以前紹介した『習慣が10割』と比べると、より方法論に踏み込んだ本だった。
『習慣が10割』は、習慣化することで人生が変わる!というモチベーションに訴えかけている点も多かったが、本書は具体的な方法の解説に重きを置いている。
今まで習慣本を読んだことがない!習慣化について簡単に学びたい!気持ちもアゲていきたい!のであれば『習慣が10割』。
方法論に従って、本気である行動を習慣化したい!という人には本書『「続ける」習慣』を読むのがいいだろう。