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【書評】『仕事が速い人はどんなメールを書いているのか』| 結局メールは"即レス"すべきか?しないべきか

メールは「即レスすべき」か「すべきじゃない」か!ずっと悩んでいた論争に終止符を打った一冊。

仕事が速い人はどんなメールを書いているのか

仕事が速い人はどんなメールを書いているのか

 

仕事効率化というテーマで欠かせないのがメール処理の効率化。

 

ワタシもこれまでに、たくさんの仕事効率化に関するビジネス書を読み漁ってきた。その中でも、メール処理に関するスキルやノウハウを伝えているビジネス書は多かった。

 

どの本でもメールに関して書かれているコトは、大体共通しているものの唯一本によって議論が分かれてる部分がある。

 

それは来たメールに対してすぐに返信すべきか?しないべきか?

 

ワタシも色んな本や雑誌を読む中で、どっちが良いのか自分の中で結論付けられないままでいたのだが、本書を読んでついに答えを見つけることができた。

本の概要

著者は平野友朗さん。日本で唯一のメルマガ専門コンサルタントとして独立。今では「一般社団法人日本ビジネスメール協会」という組織の代表もされているようで、ビジネスメールはおまかせ!のプロフェッショナル。

 

著書についても、メールに特化したビジネス書が多い。

イラッとされないビジネスメール 正解 不正解

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伝わるメール術 だれも教えてくれなかったビジネスメールの正しい書き方

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その中でも本書は、仕事の速さとメール処理スキルの関係にフォーカスしたベストセラー。Amazonのレビュー評価も高く。他の著作に比べると圧倒的にレビュー数も多い。 

 

こんな人にオススメ

  1. 「来たメールに対してすぐに返信すべきか?しないべきか?」悩んでいる人
  2. やっとビジネスメールを打つ機会が増えてきた新入社員
  3. 毎日メール来すぎ!メール処理で1日終わってまう!と嘆いている人

1.はそのまま。まさにワタシ。

2.は4月に入社してきて、だいたい研修も終わり業務に慣れてきた新入社員の方。

日々の仕事に直結するようなメールが多く来るようになり、人によっては対お客様や他部署の人に返信する機会も増えた人もいるだろう。そんな時に「こんなメールでいいのか?」「こんな文書でいいのか?」と悩んでしまい、返信にやたら時間がかかってしまう人にオススメ。

3.もそのまま。本書には、どうすればメール処理速度が速くなるか具体的に書いてある。

 

結局、メールは即レスすべきか?しないべきか?

早速、本書から得た結論から入ろう。結論としては、上記の問いの答えは即レスすべき!だ。

ただし「即レスできないときはメール処理はしない」という条件が入る。

 

なぜ、即レスすべきか?しないべきか?

そもそも、この論争のそれぞれの主張をもう少し掘り下げてみよう。

「即レスすべき」派の主張

「即レスすべき」派の言い分は、大きく以下のようになるまとめられると思う。

  • メールを自分の下に滞留させることは、メールの相手のタスクを滞留させることになりかねない
  • 即レスしないということは、仕事を先送りにしてるのと同義で、そういう人は往々にして仕事が遅い

「即レスしない」派の主張

一方で「しない」派の主張はこうだ。

  • いちいちメールが来るたびに返信していたら、自分の真にやらなければならない仕事が進まない
  • そもそも急ぎのタスクならメールではなく、電話でするべきだ

読者の皆様はどう思われただろう?ワタシはどっちの主張も合ってると思っていた。もっと言えばどちらかといえば「しない」派よりの人間だった。

それは既に書いたとおり、チャットのように来たメールに対して都度都度メールをその場で返信していたら、自分の仕事が終わらないからだ。メーラーソフト(我社であればMS社のOutlook)を眺めて1日が終わってまうね。

ただ、色んなビジネスを読むと、結構「仕事が速い人はメールも速い」という主張が目に留まる。実際、ワタシの周りでも「この人は仕事さばくのが速いなぁ」と尊敬する人はだいたいメールの返信も速い。

そんなこともあり、ワタシは自分の「即レスしない」派のスタンスに自信が持てずに、ずっと悶々としていた。

 

基本は「即レス」でもタイミングが大事

結論に戻ろう。本書を読むことでワタシが行き着いた答えは「即レスすべき!でも、即レスできないときはメール処理はしない」だった。

どういうことか、本書の引用から具体的にみていく。

メールの処理時間そのものを減らさなければ、仕事の速度を上げることはできません。そのためには、何に着手すればいいのでしょうか。

 

(中略)

 

処理時間を減らすためには、いくつかのアプローチがあります。最初は、いかに早く返信をするか。いわゆる「即レス」です。

 

メールの返信は、できるだけスピーディーにしたいものです。返信に時間がかかれば、自分の仕事はもちろん、相手の仕事を停滞させることになるからです。

平野友朗. 仕事が速い人はどんなメールを書いているのか 

即レスを徹底するときに、もうひとつ注意することがあります。矛盾するようですが、メールをチェックするという行為にこだわりすぎないこと。

 

メールを受け取ったらすぐにチェックすべきだと考えて、デスクトップ通知(メールが届いたら、その件名がパソコンの右下などに表示される機能)をオンにしている人がいます。

 

メールの処理が遅い人は、新しいメールが届くたびに気になってしまい、そのつどメールボックスをチェックします。その結果、今行っている作業がおろそかになってしまいます。

 

(中略)

 

メールのチェックは、朝、昼、夕方の3回で十分でしょう

平野友朗. 仕事が速い人はどんなメールを書いているのか 

つまり、メールチェックするタイミングは予め決めておき、その時になったら淡々と即レスしてメールを処理するべきということだ。

 

言われてみると、当たり前っちゃあ当たり前だし「それって即レスっていうの?」「"しない"派に入るんじゃない?」と思われうかもしれない。

 

ポイントは「チェックしたタイミングで、開封したメールについて処理しきってしまうことだとワタシは捉えている。

 

「あ〜今はこの問い合わせに対して回答しづらいなぁ。後で返信の文章考えよう」とか「振られたタスクはあとでやろう」とか、そのメールに対するアクションを後回しにしないこと。それが著者が言っている「即レス」である。

 

その場で返信しづらい内容だったら、まずは受領した旨のメールを返信する。返信内容を考えるのであれば、いつやるかをスケジューラに組み込む。振られたタスクについても同様。今やれないのなら、いつやるかを予定する。

 

こうすることで、結果的に自分がボールを持つ時間も短くなるし、自身が真に取り組まなければならない仕事に集中できる。

 

まとめてみると「即レスする」派「しない」派の折衷案みたいな考え方だが、チェックする時間を決めて、そのタイミングになったらメール処理に集中。逆にそれまではメールのことは気にしなくていい!と決めてしまうとメールに対するストレスは激減した。

とても良い結論だと思っており、読んでよかった。

 

一言感想

ずっと自分のやり方が正しいかわからず、悶々としていた疑問に対して明瞭な結論をくれた良い本だった。本記事では、ワタシが伝えたかったエッセンスのみにフォーカスしたが。

本書では他にも読みやすい・返信が貰いやすいメールの書き方など、ビジネスマンが身につけておくべきメールスキルについて、まとめてくれているので興味がある人は是非読んでみてほしい。