無機質にアウトプット

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【読書メモ・感想】『Vol.1 賃貸か購入か キンドル・リノベシリーズ (ちきりんブックス)』

本当に価値あるお金の使い方とは、「特に欲しい理由はないが、得だから買う」のではなく、「すごく欲しい理由があるから、高くても買う」という形の買いものなのです。

ーちきりん『Vol.1 賃貸か購入か』より

 

Kindle Unlimitedでちきりんさん著の『Vol.1 賃貸か購入か キンドル・リノベシリーズ (ちきりんブックス)』を読んだので感想とメモを綴っておく。 

 

本の概要

社会派ブロガーとして有名なちきりんによる「家」をテーマにしたシリーズ本の第一弾。

 

2019年春に同著者が発売したリノベ本『徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと』から派生して、講演内容やイベントで伝えた内容をテーマごとにフォーカスしてまとめられており、電子書籍限定のシリーズである。ちなみにKindle Unlimited対象。

第一弾の本書のテーマは「家」に関して永遠の論争である「賃貸 vs 購入」。社会人になり、家族を持った人間なら誰でも悩むこのテーマに対して、ちきりんなりの結論を与えてくれる。

 

著者の紹介

著者はブログ界隈にいる人なら知らない人はいないんじゃないかと言うくらい有名なはてなブロガー、ちきりんさん。運営する『Chikirinの日記』は月に20万人以上の読者が訪れるらしく、人気ブログだ。

 

なかなか主張や意見が極端なスタンスをとることが多く、賛否両論も多いらしいのだが、わたしは割と好きで結構本を読んでいる。年明け早々に読んだのが同著者の『自分の時間を取り戻そう』であり、そこからまた「ちきりん熱」が再燃した。

 

そんなちきりんが「賃貸 vs 持ち家」論争をテーマに本を書いた、かつKindle Unlimitedで読めるということなので、即ダウンロードしたというわけだ。

 

 

本書を一言でまとめると

この本は「賃貸 vs 持ち家」論争について、一つの結論をわたしに与えてくれた。即ち、明確な買いたい理由があれば損得や周囲の意見など気にせず、買ってしまえばいい、ということ。逆を言えば、それがなければ賃貸で良い。

読書メモ

以下は引用を交えつつ、気になった箇所をメモ。

 

家を買うべき人の条件

最初に結論を書けば、居住用の不動産を「今、買うべき」と言えるのは、次の3つの条件をすべて満たしている人、というのが私の考えです。


1.経済的に無理なく買える状況にある

2.賃貸物件では実現できない「購入したい積極的な理由」が存在する

3.自分や家族のライフプランがある程度、固まっている

上記の3つの条件が本書のハイライトだったし、わたしはとても腹落ちした。特に2番の条件、著者は具体的にこう述べている。

大量の本を収納できる大型の本棚を作り付けたい。楽器やスニーカー、食器や熱帯魚など自慢のコレクションをディスプレイできる特別な収納を作り付けたい。日々それらを眺めているだけで幸せになれる!

 

高価なロードバイクを屋内保管したい、それらをメンテできる広い玄関土間や、スポーツカーや大型バイクを愛でられる住居一体型のガレージが欲しい。

 

(中略)

 

このように、「賃貸ではまず手に入らない、こういう家に住みたい」という希望が具体的になり、かつ、それが自分の暮らしやすさや人生の楽しさに大きく影響すると考えはじめたら、そのときがまさに「家を買うべきタイミング」です。

逆に言えば、それほど具体的な希望や理想のお家のイメージがなければ、賃貸でよいということになる。

 

周囲の声なんて気にしなくていい

こういった具体的な価値が明確であれば、少々維持費がかかっても、何十年のローンを抱えてでも、家を保有することのメリットは非常に大きいと思います。

 

「趣味の熱帯魚用の水槽をたくさん置きたいから家を買う」などと言えば、周りの人には呆れられるかもしれません。でも、そんな他人の声など気にする必要はありません。

 

(中略)

 

反対に、そういった理由が何もないのに「家賃がもったいないから買う」とか「買ったほうが得だから買う」といった理由で家を買うのはお勧めしません。

 

「得だから買う」というのは、バーゲン会場で買いものをする人のロジックです。

「賃貸 vs 持ち家」論争は本当に様々な意見が飛び交っている。どっちがお得だとか、リスクが低いだとか、気にしだしたらキリがない。だから自分の中で確固たる"思い"があれば、それに従えばいいし、その"思い"を決めるために参考となる基準を本書では紹介してくれている。

感想

 

軽い気持ちでダウンロードしたが、かなりタメになった。わたし自身、こんな家に住みたい!というイメージが特段ないので、しばらくは賃貸でいいなという結論に至っている。

 

そういえば先日、昔の職場でお世話になった先輩から、壁掛けTVを設置するために壁を自らDIYしたという写真が送られてきた。木目調のシックな壁に間接照明がオシャレに取り付けられており、「ああ。こういうことをしたいのであれば持ち家を購入するべきなんだな」とも思った。

 

本書は他にも、実際に家を買うのであれば、どんな物件を選ぶべきかなどについても触れてくれている。基本はマンション購入を前提としており、ざっくり触りだけ書くと、「住民タイプを重要視すること」について書かれている。一緒に住む人がどういう価値観を大切にしているのか、若年層が多いのか、高齢層が多いのか、そのへんが大切らしい。興味がある人は是非読んでみてほしい。おすすめ。