無機質にアウトプット

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『フリクリ プログレ』観てきた!② | フリクリの正当続編であるものの

スーパーご無沙汰です。

 

前回(といっても2ヶ月以上前ですが…)、私とOVAアニメ『フリクリ』の出会いについて書きました。

 

jokigen.hatenablog.com

 

今回はやっと映画『フリクリ プログレ』について、感想書きます。

ネタバレありなのでご注意ください。

 

以降、本ブログではOVAアニメを『フリクリ』、映画『フリクリ オルタナ』を『オルタナ』、『フリクリ プログレ』を『プログレ』と呼びます。

 

プログレ』の位置づけ

本作はもともと2016年春頃に『オルタナ』とともに『フリクリ2』『フリクリ3』として同時制作発表されました。その後いつの間にか『フリクリ2』が『オルタナ』、『フリクリ3』が『プログレ』のタイトルに置き変わったわけです。

 

じゃあ『オルタナ』と『プログレ』は話が繋がっていたかというと、そうじゃなかったです。

 

ざっくりいうとオルタナ』はフリクリの世界観を持ったアナザーストーリー(パラレルストーリーと言ってもいい)。一方で、プログレ』はOVAの時間軸に繋がっており、正式な続編となっておりました。

 

 

そして、私は『プログレ』よりも『オルタナ』のほうが好きでした。

 

オルタナ』の感想記事書いてないくせに、『プログレ』の記事でこんなことも言うのもなんですが……。

オルタナ』は本当にalternative(代わりのもの)だった

実はネットの評価をみると、『オルタナ』は割と酷評されており、それに比べると『プログレ』のほうが好評価だったりします。

 

その理由は

 オルタナフリクリであって、フリクリじゃない。

もっと言えば

 ハル子さんがハル子じゃない。

という意見が大多数を締めているように思えます。

 

確かに言っていることはわかります。

 

原作のハル子さんはあくまでアトムスクを手に入れること、すなわち自分の目的達成のことしか考えておらず、そのためなら何でもする、周囲も利用する、そんなキャラでした。

 

結果的にはその行動が誰かの助けになったこともありましたが、決して正義の味方なんかじゃない、そこにハル子さんの魅力があると皆様思われているわけです。

 

ところが『オルタナ』のハル子さんは、高校生の青春を守るために、地球を守るために戦う正義のヒーローでした。そこが皆様の中で違和感があったようです。

 

  • 星をただ意味もなく真っ平らにすることを目的とするメディカルメカニ
  • メディカルメカニカから地球を守ろうとする入国管理局
  • その中で暴れる宇宙警察フラタニティ捜査官ハル子
  • 巻き込まれる思春期真っ只中の子どもたち
  • その騒動の中で少しずつ大人になっていく子どもの成長

 

原作OVAを構成する上記要素を、『オルタナ』は確かに持っていました。

でも別物だったのは、間違いありません。『オルタナ』は『フリクリ』の世界観を持った別作品だったわけです。

 

 

 

プログレ』は正当続編であるものの中途半端さが否めなかった

 

一方で、『プログレ』はどうだったか。

こちらは完全に原作OVAの続編であり、ハル子もかなり原作に近い性格でした。

 

なんだったら原作よりもひどい性格だったかもしれません。

 

というのも、本作ではハル子はラハルとジンユという2人の人間に分裂しており、ハル子の容姿を引き継いだラハルはハル子の攻撃性・凶暴性をより色濃く受け継いだ存在になっていたからです。

 

目的達成のために周囲を巻き込み、めちゃくちゃにするラハル、「これが俺たちが観たかったハル子さんだ!フリクリだ!」ってなるのもわからなくはありません。

 

じゃあ、なぜ私は『オルタナ』派なのか。

 

プログレ』の原作に"寄せている"感が肌に合わなかったんでしょうね。

 

「ど〜だ!これがお前らの観たかったフリクリだろ?」という制作陣の思いはとてもストレートに伝わってきました。来たんですけど、そうだとすると詰めが甘いというか。

 

私も別にそこまでフリクリの熱狂的なファンじゃないので、偉そうなことは言えないのですが、近づきすぎた故に粗が目立ったように思えました。

 

一番イヤだったのは、ハル子をラハルとジンユに分裂させたことですかね。

設定としては面白かったし、ハルコの攻撃的で利己的な側面と良心的な側面が別のキャラとして描かれるというのはわかりやすかったです。

 

ただなぜ、ラハルの声が林原めぐみさん、ジンユの声が沢城みゆきさんで再び合体後のハル子の声が林原めぐみさんだったのか。

 

合体後は素直に新谷真弓さんで良かったんじゃないでしょうか。

スケジュールの都合とかあったのかもしれないですが、分裂という演出でハル子の二面性を表すなら、そこはこだわってほしかったです。

(ちなみに林原めぐみさんのハル子の声はとても原作そっくりで、私も事前に情報を入れていたにもかかわらず、最初はあれ?結局、新谷さんが担当したのかな?とか思うレベルでした。さすが閣下。)

 

そうなってくると、中途半端な続編より世界観だけ踏襲した『オルタナ』のほうがストーリーも一つの作品としてまとまってたし、メッセージもわかりやすかったなと私は感じたわけです。

 

人にオススメするにしても、『オルタナ』だと思います。『オルタナ』ならOVA観てなくてもなんとなくわかるレベルでまとまっているので。

 

以上映画『フリクリ プログレ』の感想でした。ほぼ『オルタナ』について語ったような気もしますが……。

 

ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回もよろしくどーぞっ!