無機質にアウトプット

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アニゴジ2感想(ネタバレあり)

こんにちは。きっと何者にもなれないありひとです。

 

遅ればせながら、アニゴジ2ことGODZILLA 決戦機動増殖都市観てきました。上映開始からかーなり経ってしまいましたが、次回作も控えてるということなので備忘も兼ねて感想文を書いていきます。

 

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あらすじ

 

21世紀初頭、人類はゴジラに蹂躙された地球に多くの人命を残し、選ばれし者達だけで恒星間移民船・ アラトラム号に乗って移住可能な「約束の地=タウ星 e」を目指した。しかし計画は失敗し、人類は再び地球へと舞い戻ることになってしまう。そして、長距離亜空間航行によって生じた時空の歪みは、人類が戻るべき場所を「二万年後の地球」に変えてしまっていた。その地球で主人公・ハルオたちはゴジラの攻撃を受けながら、20 年間考え続けた「対ゴジラ戦術」をエクシフとビルサルド、2 種族の異星人と共に実行し、決死の戦闘でゴジラを倒すことに成功する。 しかし、喜びも束の間、地中深くから真のゴジラゴジラ・アース>が姿を現す。二万年もの間成長を続け生き永らえ、体高 300 メートル、質量 10 万トンを超える姿へと進化した超巨大ゴジラの圧倒的な破壊力を前に、ハルオたちは散り散りになってしまう。 そしてハルオを救ったのは、人類の生き残りと目される「フツア」の民、ミアナだった。フツアはこの地球で初めて出会った人型の生命種族である。彼らは人類の子孫なのか――。「フツアの神もゴジラに破れ、今は卵を残すのみ。挑むもの、抗うもの、すべて炎に呑まれて消える」という彼らにハルオは、「これは、人類の手に地球を取り戻す、最後のチャンスなんだ」と語り返す。 一方、ビルサルドの指揮官・ガルグは、フツアの持つ矢じりが“自律思考金属体=ナノメタル”でできている事に気がつき歓喜する。それは、21 世紀に彼らが富士山麓で「対ゴジラ決戦兵器」として開発するも、起動寸前で破壊された<メカゴジラ>を構成するものと同じ物質であり、その開発プラントが今もなお、残っている証だった―――。

*1

 

ざっくり一言感想(ネタバレなし)

本シリーズは元々Netflix向けの長編アニメとして制作予定されていたものが、『シン・ゴジラ』のヒットを受けて映画として上映されるように方向転換したものです。

 

なので、前作『GODZILLA 怪獣惑星』もNetflixでもう視聴できますし、本作もすぐに同サービで視聴可能になるでしょう。

 

そして、私の感想ですがストーリーは悪くないんだが、"怪獣"映画としては微妙。映画館に足を運ばなくてもNetflixで十分だったかな、というのが率直な感想です。

 

怪獣映画として微妙という感想の理由として、個人的に残念だった点が2つあるからです。

 

残念だった点①:ゴジラのサイズ感が伝わってこない

これは前作『GODZILLA 怪獣惑星』からも結構言われてることなんですが、メインであるゴジラの巨大さがあまり伝わってきません。

 

今回のゴジラ、通称ゴジラ・アースは体高 300 メートルと歴代TOPの大きさを誇ります。上映当時最大とされていたシン・ゴジラの第4形態が体高約110メートルだったので、その2倍と圧倒的なデカさです。

 

しかし、今回の戦場となる二万年後の地球は文明が滅んでおり、比較となる建物が全くありません。結果的にせっかくのゴジラ・アースの特徴である半端ない巨大さが映像からあまりわからないんですよね。

 

それでも前作では、ゴジラ・アース登場シーンではそれなりに大きさを感じることができました。

 

山を揺らす地響き、緩慢な動きと尻尾を一閃振るだけで戦艦を破壊するシーンから、ゴジラ・アースの持つ異常な質量を表現できていたように思います。

 

でも、今回はほとんどその質量を感じるシーンはなかったです。割と歩くの早かった気がするし、都市の中で戦うのですが、その都市にある建築物の方がゴジラよりも大きかったりして、いまいち大きさにピンとこなかったです。

 

やっぱり怪獣は大きいのがいいのかなと個人的に思います。ゴジラにせよウルトラ怪獣にせよ、自分たちが住んでいる町やビルがいとも簡単に踏み潰される、そんなところに怪獣映画の魅力があるのかなと。

 

その辺、シン・ゴジラはリアルに描いてて良かったなと改めて思いました。アニゴジは設定上仕方ないとはいえ、せっかく歴代TOPのゴジラなのにもったいないと感じてしまいます。

 

2つ目の残念だった点はネタバレが発生します。

以下、ネタバレありの感想です。未鑑賞の方はご注意ください。(とはいっても2018.06.17現時点でまだ上映している映画館はかなり少ないと思いますが)

 

残念だった点②:メカゴジラが登場しない

はい。これに尽きます。観た人は予想ついたんじゃないでしょうか。

そうなんです。今回メカゴジラ登場しないんです。

 

上記のネタバレ無し感想でさらっと「都市の中で戦うのですが、……」と書いていますが、その都市自体がまさかのメカゴジラです。

 

21世紀地球離脱前にゴジラに破壊されてしまったメカゴジラですが、頭部は生きており

ゴジラを殲滅せよ」という命令のもと自身を構成するナノメタルを増殖させ自律的に要塞都市を建設していたのでした。

 

ここでタイトルである「決戦機動増殖都市」というワードが生きてくるわけですね。

でもまさか、最後までメカゴジラ出ないとは……。

 

確かに都市の姿をしたメカゴジラゴジラの対決というのは、新たな試みだとは思いますが、やっぱりメカゴジラの姿でも戦ってほしかった。

 

特に今回のメカゴジラは今までにない斬新なデザインです。トゲトゲチクチクした全身、怪獣ぽくなく、どこが口かもわからないクワガタみたいな顔。

 

こやつがどう戦うのかが楽しみで映画館に足を運んだのですが、その思いは儚くも崩れ落ちました。私なんか予告に出てた飛び回ってる人型の機械がメカゴジラなのかなと思ってたくらいです。

 

ちなみにTwitterでは「#アニゴジ2詐欺」というハッシュタグができており、少し笑ってしまいました。気持ちはわかります。

 

良かった点:異種族間の価値観によるシリアスなストーリー展開は好み

残念だった点ばっか上げてもアレなので、良かった点も1つ。

ビルザルドと地球人の価値観の違いにより、主人公が葛藤する展開は私好みでした。

 

ゴジラを倒すためなら手段を選ばず、肉体すらも不要であると考えるビルサルドは肉体を捨てナノメタルと同化することを選びます。彼らにとってはそれが最も合理的だからです。

 

一方、地球人類からすれば、人としての姿を保ったままゴジラを倒すことに意味があると考えるわけですが、何がなんでもゴジラを倒したいと願ってきた主人公ハルオとしては複雑な思いだったようです。

 

あの辺のどっちが正しいわけじゃないけど、でも価値感の違いからぶつかり合う答えのでない展開はいいですね。

 

ただ私はハルオには肉体を捨ててほしかったかなぁと。

 

人類全体の勝利という意味ではナノメタルと同化し、ゴジラを殲滅する道を選ぶべきだったと思います。あれだけゴジラを倒す!と豪語してた割にはちょっと覚悟が足りなかった印象。

 

まぁ主人公をそうそう殺せないでしょうが。いくら虚淵先生といえど。

 

ハルオとしては、やはり出撃前にキスされたユウコの胸が思った以上に大きく、見捨てるには惜しかったんですかね。愛する仲間の命を共に犠牲にしてまでその選択はできなかったんでしょう。

 

ちなみに私だったら、ナノメタルが発見されようと少しの希望があろうと、母艦に帰れるタイミングで即帰ります。地球はゴジラにあげます←

 

次回でまとまるのかは、やや不安

結局、今回もゴジラは倒せませんでした。しかも希望となりうるメカゴジラ=ナノメタルも失ってしまいます。現時点で打つ手なしです。

 

しかも、次回はキング・ギドラが登場することが示唆されています。こんな状態で新しい怪獣が出てきて収集つくのかめちゃくちゃ不安ですが、それも楽しみになんやかんや次回も映画館に足を運ぶんだろうなぁと思います。

 

これでキング・ギドラも出なかったら、ナノメタルと同化してやる。

 

あとがき

ところで今回のアニゴジは日本の作品で唯一「GODZILLA」という英語表記のタイトルがついてますね。

 

GODZILLAという名前には"GOD"=「神」という文字が含まえれており、シン・ゴジラでは『神の化身』にちなんでつけているという話も出ておりました。

 

実際の「ゴジラ」というの名前は円谷英二監督が「ゴリラ」と「クジラ」を合わせてつけたと聞いています。*2

 

そのときは英語表記なんて気にしておらず、たまたま英語にしたら「GOD」という文字が含まれていたってのは、なんだか面白い偶然だなと思いました。

 

だって、これが「ゴリラ」と「クジラ」で「クリラ」だったらこうはならなかったわけです。「トラ」と「ライオン」で「トラオン」でもダメです。わりと怪獣の名前ではいそうですが、ダメだったんです。

 

こういう偶然でもセンスが光るあたりも、天才って本当にすごいな、と割とどうでもいいことを思いました。

 

今回のゴジラは、行き過ぎた人類の文明に罰を与える調停者としての「神」なのか、それともただの災害なのか、もっと言えばイチ生物似すぎず、現在は地球の生態系の頂点に経っている、ただそれだけなのか。

 

そのへんの「怪獣がどうして現れたのか」的なメッセージが本シリーズで伝えられるかも興味深いですね。

 

じゃあ今回はこのへんで。次回よろしくどーぞっ。

 

 

 

 

 

 

*1:Filmarksから引用

*2:昔、円谷さんの伝記漫画で読みました。